ご挨拶
みなさん、初めまして。理系女子大生のまると申します。
…大学院生が女子大生を名乗って良いものかは諸説あるでしょうが、私は修士課程の大学院生です。
ついこの間、さあ卒業論文を提出したぞと思っていたはずが、あっという間に1年が経過し、就職先も決定してしまいました。振り返ればあっという間のできごとです。
当ブログ立ち上げに至るまで
さて、本記事は記念すべき初回ですので、当ブログの誕生した背景に触れたいと思います。
不慣れな文章にはなりますが、どうぞお付き合いいただければと思います。
タイトルの由来
サブタイトルに脱理系奮闘記、と添えているのでお気づきかもしれませんが…
私は、研究室という場所が好きではありません。
ブラック体質・属人的・労働集約・金食い虫扱い・おまけに修士過程までは無給。
具体的には、
・そこでしか通用しない独自ルールや小手先のテクニックに染まっていく
・たいてい教員やドクターなどの上層部は人が入れ替わらず派閥があったり仲が悪くギスギスしているため、ヨイショやご機嫌伺いに消耗する
・だらだらと長時間居座ったほうが尊敬される
・原理や背景は個人が勝手に学ぶものと考えられ、十分な教育なく研究者として現場に放り込まれる
・明らかに必要な設備投資(寿命・故障)が予算の関係で無限に先送られ、不具合を報告した人間が何故か白い目で見られる
など、挙げだすとキリがありません。
属人的、労働集約、金食い虫扱い、というところについては、学生でなくともあらゆる研究開発の場にあてはまる問題だと認識しています。
旧帝大のように資金の潤った場所ではある程度のシステム化・外注化が進んでいるようですが、田舎の弱小国公立なんてこんなものでしょう。改善の見込みもありません。
そんなわけで、白衣で試薬いじくってカッコイイとか憧れていた心は早々に闇に葬られ、
のびのびキャリアアップできる風通しの良い環境を求めて、まずは理系(研究機関所属)を脱出しようと大学院進学後に決心したわけです。
いろいろと理由をつけた体の良い現実逃避かもしれませんが、少なくとも私に研究者としての適正があまりにもなかったことは事実だと思います。
理系脱出までの経緯
では、なぜ大学院進学などと進路決定したのか?
それは、進路決定した頃の私が研究室配属前であり、さらに自分自身の固定観念に縛られていたためです。
「理系の大学に進学させてもらったんだから、専攻を生かしたメーカーに、研究職に就職しなければ。なら大学院に進学したほうが有利になるでしょ!」
そう思っていました。
加えて両親も、コロナ禍で売り手市場が終わりを迎えつつあることを心配し、「このご時世なんだから、お前は学を積めるときに積んでおいて手堅くいきなさい。文系就職なんてもったいない」と。
Uターン就職を視野に入れて3年生の時訪れた地元メーカーのインターンシップでは、研究職の社員の方に「研究職なら院進したほうがいいよ!」と言われ。
しかし、前述のような研究機関の闇に触れたことに加え、
”3月から足並み揃えて就活”
”とりあえず食品・医薬品・化学メーカー”
だんだんと、これらの傾向に疑念を持ち始めました。
周りを見ていても「なんとなく」学生期間延長、初任給アップのために進学して、就活や研究で現実にぶち当たっている人は多いです。
とりわけ化学系なんてのは大学院進学あたりまえ&求人の少ないB to C大手(わたしたちの誰もが聞いたことのある食品・化粧品・日用品メーカー)狙いの激しい椅子取りゲームで、勝っても高給取りになれる確率は低く割りに合わない。
こぼれ落ちた学生は、B to Cをあきらめきれず地元の零細メーカーに着地する人が多く、情報を勝ち取りB to B大手ホワイト企業(素材・部品・原料メーカー)に行けば勝ち組ルート。春で決めれずに消極的な博士進学や公務員試験に踏み切る人もいます。
私もまた例に漏れず、4年生の春何も知らず研究室入りをし、合わないと感じたところで就活への軌道修正などできるはずもなくあれよあれよと院進しました。
地獄の就活の幕開けです。
理系就活の落とし穴
とはいえ、友人の中には早くからアンテナを張ってB to Bに狙いを定めていた子がいたため、まったくなんの意識もなかったわけではありませんでした。
3回生夏には課外活動で某大手化学系企業の見学に行く機会があり、当時はその職場環境や待遇の良さに心が舞い踊ったものです。
しかし、そう甘い世界ではありません。
①成果の出やすく説明しやすいテーマを手に入れ、
②意欲的に研究を行い、
③前任者もしくは自分自身が十分な研究成果を掘り当て、
④それをプレゼン力で盛りたてる
これらをすべてやって初めて、研究職として必要とされるという博打込みの過酷な道のりです。
そして多くの場合、これらの現実を知るのはエントリーシートや一次面接がなかなか通らないと気づく春以降です。
人脈があれば先輩のお話から学ぶことができるかもしれませんが、成功者は結果論で話すので失敗者の話のほうがぶっちゃけ有益です。
よって、抜きん出た特技、成績、人脈、トーク力のない平凡なぼっち理系学生はここで詰みます。
私の場合、学部生時代の非研究職の友達から急かされ、早いうちに研究職と関係ない切り口で外部から情報収集を始めたのが幸いでした。
当然、研究室嫌いの意識低い系大学院生である私はその道を選ばず、化学系就活生第3のルートであるIT系転向に身を置きました。(これが意外と多い)
営業職などよりもエンジニアのほうが理系寄りなので論理性をアピールできる上、研究の話も盛りやすく、何より鬱屈とした研究環境から完全に離れられる開放感への期待でモチベーションが上がります。
結局、長い間就活に勤しんだ割には理想よりあと一歩というところで終わりましたが、現在の内定先には納得しています。
おわりに
理系学生が専攻のレールから外れることについて、高いハードルを感じている方もいるかもしれません。
また、これから身の振り方を考えていく高校生や大学生の中には、なんとなくかっこよくて安定して稼げそうだから、とりあえず理系進学をしようと考えている方も多くいるのではないでしょうか。
私が今このように発信を始めているのは、
・これから理系で大学進学する高校生の子達・同じような境遇の学生さんに現実を知ってほしい
・境遇は違うけれど今までの人生の選択を捨てて新しいことを始めようとしているいろいろな方を勇気づけたい
という思いからです。
いろいろな情報収集とそれらを人に教えるのが好きな私から、有用な情報をつまみ食いしていってほしいので、今後とも気軽に見に来てくださると幸いです。
ここまで読んでくださった方へ、自分史上最大級の感謝を。
一緒に頑張りましょう!