私は奨学生
実家の太い学生が羨ましい…
唐突ですがこれに尽きますよね、本当に。
私は特段裕福な家庭で生まれたわけでもなく、年の近い兄弟もいますので、当然のように日本学生支援機構より貸与型奨学金を受けています。このように、私の他にも大学生、とりわけ大学院生には奨学生がとっても多いです。
日本学生支援機構の「令和2年度 学生生活調査」によると、学生全体のうち奨学金を受給している人数の割合は、下記の通りになっています。
大学(昼間部)…49.6 %
短期大学(昼間部)…56.9 %
修士課程…49.5 %
博士課程…52.2 %
どの区分も約半数の学生が受給しているということになりますね。
一方、そんな制度はつゆほども知らずに進学し、学費と家賃のみならず、食費とサークル会費・趣味・交際費までドーンともらっている学生もいる。
非常に少数派だとは思いますが、親の口座やクレジットカードを自由に使えるレベルの学生もいるんでしょうね。
近年よく言われる「親ガチャ」というやつです。両親への感謝や尊敬の気持ちは確かに持っていますが、こういった自分ではどうしようもない境遇の違いを感じ、少しばかりずるいと思うのは、私だけではないはずです。
一般大学院生のおサイフ事情
とまあ、それはさておき。金欠学生の中でも、
大学院生は本当にお金が無いです。
どれぐらい無いかと言うと人それぞれになりますが、例えば
・ユニクロの服を1着買うのにも躊躇する
・クレジットカードは常に限度額パンパン(普通に借金)
・固定費と交際費でバイト代がほとんど消滅する
・疲れてなかなか自炊できず、食費が痛すぎて1日1-2食になる
・バイトのシフト増減や、急な出費でイライラしてしまう
といった具合です。
特に農学系や化学系は実験の1サイクルが長時間・長期間で、持ち帰りができないので必然的に学内に拘束される時間も多くなります。
コアタイム(出勤時間のような研究室内の規則)が9時〜18時などというのはよくある話で、それでいて無給、バイトができるのは平日夜か休日のみ。研究がずれ込んだり急な予定が入ったりするのと、心身が疲れ切るため、タイトに予定を入れすぎるといけません。
持続可能で現実的な月平均勤務時間は、20-40時間ほどでしょうか。
…足りるわけがないんですよ。
実際、周囲を見ても、節約に躍起になっている学生か、仕送り頼りでアルバイトを辞めた・最初からやっていない学生の二極化になっています。たまに研究室をサボってバイトを差し込む子もいますがね。
私も例に漏れず、財布の紐を引き締める毎日でした。
大学は色んな経済状態の人が共存しているから、社会人以上に誘惑が多くて大変だしストレスで散財もするし、仕送り100%の子やバイトを扶養ギリギリまで入れられる子が近くにいると、なんとも情けない気持ちになりますよね。
奨学金増額のリアル【意外にも低いハードル】
さて、私の金欠エピソードならいつまでも語り尽くせる自信はありますが、このままお金ないない〜と嘆いていても仕方がないので、ある程度ためになる経験談をしたいと思います。
奨学金増額の実体験
二度目になりますが、私は貸与型奨学金を受けています。私と同じ奨学生の方、
この借入月額を、増額することを考えたことはありますか?
私は、今年度に入ってから増額しました。
なぜなら、最終学年は就活や交際、転居で出費が今まで以上にかさむから。加えて、研究活動が大詰めに向かうことで、ただでさえ多くないバイトのできる時間もかなり少なくなってきます。
正直、気乗りはしませんでしたし、手続きはさぞ複雑で時間がかかるんだろうな…と思っていました。しかし!
貸与型奨学金の増額って、実はとっても簡単。
私は金欠が限界突破し、わらにもすがる思いで大学の窓口に相談に行きましたが、
①スマホと学生証とハンコを持って奨学金窓口へ出向く
②A4ペラ1枚(奨学金貸与月額変更届)の記入※
↑これだけで増額を即日受け付けてもらえると知って拍子抜けしました。
※機関保証の場合。反映月ごとに締め日がある・人的保証は保証人と連帯保証人の自署欄があるので注意
私の場合、相談から申し込み完了まで15分もかかりませんでした。奨学生番号を参照し、理由をひとこと記入し、学籍番号、住所や電話番号など基本情報を書けば終了です。持ち帰り記入するほどのボリュームではありません。
成人なら親の署名もいりません。親子の収支などの詳細な金額なども必要ありません。
あっという間に手続きが終わり、申込み2ヶ月後から振り込みに4万円弱上乗せされるようになりました。
日本学生支援機構(JASSO)貸与型奨学金の増額方法
概要はこちら(JASSO公式「月額変更」ページ)
実際の「奨学金貸与月額変更届」の書面につきましては、各大学の公式ホームページから検索・参照して下さい。
また、在学課程の種別や第一種・第二種のいずれかによって変更可能月額が異なるため、詳細は大学の窓口へお問い合わせ下さい。
おわりに
とはいえ借金には変わりない
「奨学金は借金。安易な増額は将来のために避けるべき」
「自分の知り合いは、高額すぎる奨学金の返済で人生に支障が出ている」
こういった意見もあるかと思います。耳が痛いです。
確かに、奨学金は立派な借金です。教育ローンと言い換えて差し支えないでしょう。借りた以上、未来の自分が必ず返さないといけないシステムです。
十分にそれらを理解した上で、それでも、
心身を守る選択肢の一つとして、多忙な理系学生には知っておいてもらいたいんです。
時間もお金も限られた中で、楽しい学生生活を傍目に生活を切り詰める。就活やリフレッシュに時間を割けないほどバイトに明け暮れていれば、どんなにタフでも少しずつボロボロになってしまいます。
私は、奨学金の増額システムに救われました。今では就職関連やアルバイトのシフト希望、研究室の実験など、全体的にゆとりのあるスケジューリングができています。当ブログに着手できているのも、奨学金のおかげと言っても過言ではありません。
奨学金は”比較的上質な”借金
私の場合はクレジットカードでしたが、他にも消費者金融など、金欠学生が簡単に手を出してしまえる高利率の借金で苦しんでいる学生も、少なからずいるでしょう。一度手を出してしまえば、社会人になってもなお、途方も無い利子を支払い続けることになりかねません。
そのようなサイクルから抜け出し距離を置く、現実的で最良の方法の一つが、貸与型奨学金だと確信しています。たとえ機関保証であろうと有利子であろうと、相場として約15%近くの年率がのしかかる他の選択肢と比べると、かなり良心的なものです。
節約を趣味にできる方や無駄遣いの極端に多い方以外は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
ご利用は計画的に!